煙の玩具04

 僕は、購入した順に記事を書いているのではありません。しばらく、ブラストがかけられた HANSEN のパイプが続くことになると思います。おつきあいください。ただし、01に書いたパイプは、本当に僕が最初に買った HANSEN のパイプです。その1本が、やがて50本近くの同胞を呼ぶことになったのですから、巡り会いとは面白いものです。

 本日のパイプは、これです。

 とあるすごい方が銀座の菊水さんに連絡し、HANSEN が入荷したら僕に一報が来るようにしてくださいました。僕がどうして HANSEN のパイプを集中して追うようになったのかという理由をその方に話したとき、その方は「自信を持っていい」と言ってくださいました。僕が彼に打ち明けた理由とは“1970年代に大量に輸入されたため、デンマークパイプの中では安価であること、でも、それなりに美しいパイプであること、安価でありながら、しっかりとした作りのパイプが多いこと。即ち「具合がいいパイプ」が多いこと”です。

 今回のこのパイプも菊水さんで購入しました。USED の扱いでしたが、手に持ってみると、まったく使用感がありません。卸したての新品のようで、美しいと思いました。

 これも、もしかしたら工房閉鎖後に販売されたものかも知れません。Poul Hansen という名前の現代のパイプ屋さんの商品とも考えられます。けれども、小ぢんまりとしながらも、攻撃的な雰囲気のあるこのパイプは、僕にとっては絶対に入手しなければならない1本でした。

 03で紹介したパイプと異なり、このパイプにはHANSEN”“BRIAR”“HANDMADE”“MADE IN DENMARK”の4行がちゃんと打刻されています。

 残念なことに、このパイプは、僕にとっては「具合が悪いパイプ」でした。小さなパイプだから、咥えるとボウルが顔に近いのです。よく「パイプの煙は目に沁みない」と言われますが、僕の目が弱いのか、喫い方が下手で火種が大きいのか、とにかく、このパイプを使うと、僕の目は真っ赤になってしまうのです。それでも、僕はこのパイプの拵えに文句がなかったため、後悔はしませんでした。そして、このパイプは「弟分」のようなパイプと対になっていたのですが、僕はそっちのパイプも購入することになったのでした。05では、その弟分のパイプについて、記事を書くつもりです。