煙の玩具11

 10を書いてしまったので、このパイプのことも書かなければならないでしょう。僕は、僕なりの計画によって、これまでの10本をすべてブラストがかけられたパイプから選んでいたのですが、突然にスムースのパイプについて書こうと思いました。僕が“対”で持つということが好きだということはすでに書きましたが、この11のパイプは10のパイプと見事に対をなすものだからです。この2本を購入したのはオクだったかな、それとも eBay だったか。とにかく、片方だけを購入するわけにはいかなかったのです。

 このパイプもPIPE・DANを通じて販売されたものだと思います。10のパイプと同様に、“POUL HANSEN”と、作者(工房)の名前がフルネームで打ちこまれ、PIPES”と続きます。そして“COPENHAGEN”と打刻されています。

 多分、兄弟パイプとして作られたのだと思いますが、ステムがかなり違います。ひょろひょろっと痩せた感じの細いマウスピースの10と違って、こちらのパイプのステムはサドルで平たく、また、スムースであることもあり、10よりもずっと立派に見えます。

 ところが、何が、どう違うのでしょう。「具合の良さ」という点でいうと、この11は、10よりかなり下になってしまうのです。不思議なものですね。でも、10がある以上、この11を手放すわけにはいかないのです。この2本は、僕が所有する Hansen の中で、一番見事な“対”をなしているのですから。