煙の玩具17

 仕事は面白くありません。面白くないから仕事なのです。毎日、一度は嫌な思いをして、ヘロヘロになりながら家に帰ります。でも、パイプ喫みには疲れに対する特効薬があります。それは、家の下駄箱の上に置かれている、箱か包みです。

 だだっと階段を駆け上がり、部屋のベッドの上に、着替えもせずにあぐらをかき、子供のように包み紙をベリベリとはがすと、笑みがこみ上げるようなパイプが姿を見せます。なんて素晴らしいんでしょう(←消費中毒者)。

 ひと通りゲラゲラと笑ったあげく、15を取り出します。そして、笑いはだんだんとおさまっていきます。似ていないのです。これでは“対”になりません。

 このパイプはむやみやたらとタバコが入ります。ゆっくり喫えば3時間。僕たち現代人は、メシャムパイプやブライヤーパイプの黎明期の人々にはできなかった喫い方ができます。DVDで映画を観ながら喫ったりできるのです。

 ところで、デーニッシュパイプには、この16のように、ステムをシャンクに無造作にぶすっと挿してあるパイプがよくあるのですが、これは一種のアーミープッシュと考えていいのでしょうか? まだパイプが熱くても、抜いちゃって大丈夫なのでしょうか? 怖くてやってはいませんが。