煙の玩具18

 ちょっと、またここから、購入の順番からずれた記事を書きます。17を入手してから、僕は必死に“対”となるパイプを探していたのですが、なかなかぴったりのパイプが現れず、ちょこちょこと、まったく別なシェイプの Hansen を買っていたりしていたのでした。

 まず、ひとりの友人のことを書きます。彼はものすごく頭がよく、パイプにまつわるさまざまな伝説を一切信じることなく、自分の旗を振っている人です。完全に僕が白旗を揚げた人物です。彼は趣味でパイプを作ります(ブラストにできる機械とかを持っていたりします)。僕は他のパイプ喫みと一緒に喫わなくなってずいぶんと経ちます。僕は内心でパイプを「孤独の道具」だと思っています。けれども、その友人とならパイプが喫えるのです。

 僕は彼と喫うときには、いつでも無言になっていい許しを得ています。だから二人で燻らすとき、お互いが何も言わなくても、空気が重くなることはありません。その彼が、ある日、鞄の中からパイプを取り出して「これはあなたが持っていたほうがいいと思う」と言って手渡してくれました。

 Hansen のファンシーでした。そして、彼の好意によって、17には対となるパイプができたのです。まあ、パイプ喫みは物離れがいい人が多いのですが、このときはあまりの衝撃に真っ青になって喜んでしまいました。

 こういったシェイプの Hansen を見ると、僕はワクワクしてしまいます。もしかしたら、 Poul Hansen 自身が作ったパイプかもしれないからです。友人にはとても感謝しています。そして、どんなお返しをすればいいのか、悩みつづけているのです。