煙の玩具26

 このパイプも京垓さんの社長が、シカゴのパイプショーから持ち帰った Hansen のパイプの中の1本です。

 典型的なデーニッシュパイプのシェイプのひとつなのですが、残念ながら“美”がありません。でも、とても大切なパイプです。

 RESERVED をお願いしたとき、僕が「あの、ナメクジみたいなやつ」と言ったことによって、このパイプのコールサインは「ナメクジ」ということになってしまいました。

 お金ができて、新所沢にこのパイプを引き取りに行ったとき、僕は社長に「あの、ナメクジを購入しようと思って」と言ったところ、社長は「あ〜、あのナメグジ、どこにしまったかな。ええと、ナメクジ、ナメクジっと」

「あ、ありました、ナメクジ」

 美を目指したシェイプではないでしょうけど、このパイプは僕にとって、とても「具合がいいパイプ」でした。喫うのが楽なのです。

 今でも僕は「よし、今日はあのナメクジで一服だ」とか呟いたりします。可哀想に。