煙の玩具34

“対”が好きな僕にとって、この34は21とセットだったりします。

 ホーンのようなボウルの前傾がダイナミックでカッコいいので、逆の意匠の21と対になるかな、と思っているわけです。でも、21は“美の十傑”に数えられていますが、この34は違います。残念ながら、シェイプの面白さと逆に「小さい」という悔しさがあるからです。このパイプは「どうする?」というほどは小さくはありません。目の弱い僕は、パイプの煙でも目を痛くしてしまうので、小さいパイプは苦手です。34は「具合が悪い」ほどは小さくないし、短くもないのですが、中途半端なのです。もう少し大きいパイプだったら、もっと好きになれたかもしれません。

 けれども、僕はこのパイプを例の「富国強兵」のために購入したのではありません。純粋に、そのシェイプに惚れたからです。あまり、使ってはいませんが「失敗した」とも思っていません(失敗について話すなら、もっと物凄い事例をいくつもお話することができます)。どこかへ消えてしまったら、イライラのあまり絶叫するほど必死で、このパイプを探すでしょう。言葉を伝えられるのであれば「お前はちゃんと愛されている」と言ってあげます。