煙の玩具35

 リバプールに該当するでしょうか。このパイプは小田急相模原のリビングショップ安藤さんで購入しました。僕は「電光石火」という言葉を愛する人間です。LS安藤さんのサイトに、2本の Hansen がアップされた翌日、僕はガラスケースの前に居ました。この35は、どういうわけか非常にお値段が安かったのですが、店長さんに訊いてみると「ひどいステムルーズ」とのこと。僕は自分のパイプにシェラックを塗ってやることもできない不器用者ですが、ステムルーズを直す方法なら5種類ほど知っています。「それでかまいませんから」といって帰路についたのでした。

 家に着き、パイプに関して博学な友人から教えてもらった方法を使うと、ステムルーズは5分で直りました。ずいぶんとお得な買い物でした。彼が教えてくれた手っ取り早い方法は、マニキュアのベースコートを使うやり方です。ベースコートは、人間の爪という食いつきの悪い相手に対応するため、ちょっとやそっとでは剥がれません。そして、一番硬化した状態でも弾力があるのです(ぷよんぷよん)。これをテノンに塗ってやれば、シャンクの内側もテノンも傷つけることなく、ステムルーズは直せます。ベースコートは奥さんか、彼女か、妹かがいると、入手は楽ですね。

 僕には妙なプラセボがあって「シャンクとステムが直線であれば、煙がストレートに口に入るので、美味いのではないか」と思い込んでいます(←根拠無し)。そのため、購入してしばらくは、この35を多用していたのですが、シャンクの異常なまでの細さに、儚さと緊張を感じ、さらに、ストレートタイプの、もっとバランスがとれた Hansen をいくつか入手したことによって、このパイプはあまり使用しなくなりました。でも、手もとに置いておきたいパイプではあるので、大切にしています。