煙の玩具36

 確信犯というのは「自分がこれから悪を行うと明晰に理解し、犯罪を犯す者」ではなく、「周囲は間違っている。自分がこれから行う行為は悪ではなく、正しいことである」というポリシーで行動する人を指すようですね。それであるなら、僕はこのパイプを“確信犯”として落札したということになります。

 最初からわかっていました。このパイプが小さいということ。購入してもボウルが目に近すぎて、使用することはできないということ。それでも、周囲にぽつぽつと現れ始めているパイプスモーカーたちに対して居場所を得るために Hansen のパイプの数を増やすことは正しい行いである、と自分を説得して、このパイプを落札しました。

「小さいと目が痛くなって使うことができない」という僕の言葉は、簡単に否定できるでしょう。僕自身がわかります。「下手なんだよ(←これは、どのような問題にも一瞬で解答を当てられる、僕にとっては怖ろしい言葉です)」「火種が大きいから煙がいっぱい出て、それで目を痛くしてるんだよ。火種を小さくする練習しろよ」「過燃焼してるから煙が出るんだよ。煙は普通は線香1本分だ」。

 それと、小さくても、このパイプがカッコよく見えたということも購入の理由のひとつです。船みたいにボウルが前傾していて、ステムのサドルが斜めに切られているのは、僕が買った最初の Hansen 、このブログの01のパイプと同じでした。カッコよかったら、買ってもいいでしょう?

 まあ、結局、やっぱり目が痛くなっちゃって、僕には使えないパイプだったんですけど。