煙の玩具64

 63の“MEMORIAL”には、おまけがつきました。
 LS安藤さんのご主人が「もう一本、入ったんだけど、これは売り物にはならないな。おまけか、五百円ぐらいで売るか」と仰りながら、別の HANSEN のパイプを見せてくれました。「こんなに焦げてちゃね。結構磨いたんだけど」。

 見たところ、それは焦げではありませんでした。ボウルトップの縁は、意外に焦げないものです。火は素直で、吸っている場所に突入します。縁が焦げたように見えるものは、たいていがタールです。

「では、僕に五百円で売ってください」とお願いしたところ、その話は冗談ではなく、本当に五百円で売ってくださいました。

 家に帰り、ヤカンでお湯を沸かし、蒸気にさらして拭き取ったら、タールは見事に全部、落ちました。

 やや、左右非対象な HANDMADE、ステムはエボナイトで、かなり初期のものです。これが五百円。素敵なおまけでした。