煙の玩具50

 記録によると、2009年10月、銀座、菊水さんに Poul Hansen のパイプが8本入荷されています。僕は、菊水の常連である2人の先達、そして、菊水さんの営業部長様の好意(リザーブしてくれていたのです。僕の所得も知らないのに。涙が出てきます。さすがは大店ですね)によって、その中の5本を自分のものとすることができました。

 最初に購入したのは、このパイプでした。

 木に圧縮でもかけたのか、やたらと重く、かちんと硬いパイプです。僕はこのパイプに “Tank = 戦車”というニックネームをつけました。このパイプは、この時期に菊水さんが入荷した Hansen のパイプの特徴の数多くが見受けられます。まず、塗りの色が明るく、ステムはアクリルです。そして、まったく使用感がなく、木が重いのです。

 おそらく、工房の末期に作られたものか、僕の知らない出自を持っているのか、どちらかでしょう。両方である可能性もあります。僕は最初のこの1本を購入し、具合を見て、できるだけ多く購入できるようにお金を工面しました。全力で頭を使ったのですが、パイプ喫みとしての僕にとって、最高に楽しい時期でもありました。

 実はこの“Tank”の次に買ったパイプこそが“皇帝”の迫力を持った1本なのですが、その紹介は最後にします。